#devlove 『システム思考 つながりと全体像を捉える』に参加しました


DevLOVEの『システム思考を手に入れよう。』に参加してきました。「システム思考」という言葉はリーン開発の本にもたびたび登場し、『リーン開発の現場』の20章では、根本原因の特定ツールとして「因果関係図」が登場します。『学習する組織―システム思考で未来を創造する』などの翻訳をされている小田さんのお話はとても興味深いものでした。
私はシステム思考についてあまり良く知らないのですが、お話をメモしながら自分の理解のために整理してみました。間違って解釈している部分があるかもしれませんがご了承ください。
システム思考とは?
その前に「システム」には色々な意味があります。システムはつながりのある集合体を指しており、身近な例を挙げると「会社」「チーム」「組織」があります。
システム思考は習得に時間がかかり、「これをやったら終わり」ではなく、歩いていく道のようなものなので、一言で説明するのは難しい。あえていうなら「木を見て森も見る」ような考え方です。講演スライドでは「海に沈んだ氷河」がメタファーとしてよく登場していました。
ではどうやって森を見るか?この「見る方法や、見るための考え方」がシステム思考なのかなぁ。と思いました。
現場で使えない
小田さんがおっしゃるにはシステム思考の成功率は2割ほど。この原因のひとつは、ひとつの答えに執着してしまうからです。
自分が見ている面はキレイになったとしても、それ以外の面がバラバラではまた同じような問題が発生してしまいます。答えはひとつではなく多面的な場合が多い。
また、成功体験が邪魔をすることもあります。実はその成功していたやり方が、今の問題につながっているかもしれない。世界はものの見方で決まるのです。
どうやって森を見るか?
勉強会では、方法以下の様な方法が挙げられていました。
- 対局の流れを見る
- 見えないものをふくめ全体像を見る
- 行動の根源や根本を見る
また、
- つながりを見る
- 循環・蓄積を見る
- 全体を見て最適化する
- もう一個あったきがするけどメモれなかった
というポイントもあります。
見る場合は、人を責めずシステムの問題と捉えるのが重要です。
可視化するツール
わかりやすい例として「売上が下がってきたから販促をする」というシナリオが紹介されていました。
- 売上が下がっている
- 販促をしよう
- 売上が上がる
- しばらくするとまた下がってきた
- 販促を・・・
わかりやすい施策ですが、入力を増やし続けて出力も上げる作戦だと、いずれ疲弊してしまいます。これは「残業してなんとかする」を続けた場合に似てますね。決して戦略的ではない。
システム思考では、こういった循環や因果関係を見つけ、根本原因を特定し、対策を行い、経過を観測していきます。根本原因や因果関係を可視化していきます。『リーン開発の現場』に登場する「因果関係図」のような図です。

こういった図の中にあるループを見つけます。ループには
- 自己強化型ループ・・・自己を強化していくループ。悪い強化なら悪循環となりますし、良い強化の例としてクチコミ効果、ネットワーク効果などがある
- バランス型ループ・・・ループが一巡したときに逆効果が発生する形。たとえば、生物の個体が増え一定数に達すると減っていくなど
ただし、この図に関しても書く人によって異なる場合があります。何度も書きますが答えはひとつではありません。
まとめ
お話は初心者向けの概要のようだったのですが、どれも興味深いお話でした。
私の場合、根本原因を分析するときに似たような図を書いたりしているのですが、メンバーをうまくファシリテートしながら図をまとめていく作業にとても苦労しています。また、別の機会にそういったワークショップをやってみようと思いました。
また、お話を聞いて気がついたのですが、『リーン開発の現場』には小田さんがお話した内容がちりばめられています。これは著者のヘンリックのまとめる能力もさることながら、彼もシステム思考を勉強しているんだなぁという「気づき」でもあります。
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