アナログなカンバンボードを使う理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営

定期的にデジタルツールとアナログツールのどっちがいいかを相談されます。『リーン開発の現場』にも「第15章 アナログなカンバンボードを使う理由」という章があり、ヘンリックがとてもうまく説明しています。この戦いは繰り返し行われるんでしょうが、『リーン開発の現場』を読んでみて思ったことをまとめてみようと思います。

自分のPCからすぐ見れるというメリット

よく聞くのが「自分のPCからすぐ見れる」というメリットです。別の場所にいるチームとのやりとりならデジタルツールが便利です。この「すぐ見れる」メリットは、前提条件として「見る人」がいなければなりません。よくあるのが、「すぐにPCから見れるのに見てくれない」という問題です。「見れる」と「見てくれる」は別物なので、それぞれで利用を促す施策が必要です。

目的が「リモートとのやりとり」の場合は、デジタルツールがいまのところよさそうです。ただ、目的がカンバンのメリットのひとつである「プロジェクト全体や現状をチーム皆で理解する」といった場合は注意が必要でしょう。

全体が見える、目につくというメリット

カンバンの場合、メンバーの目につくところ(たとえば、みんなが通る場所)などに置くことで、その場所が「チームの場所」へと進化させることができます。自然に目に入る場所にカンバンがあり、情報がそこに集まっているならば、よりよい場ができあがります。

一方、デジタルツールはリアルでできることをデジタルでできるようにしたものです。(いずれ解決するかもしれないけれど)モニタのサイズという制限があるため、全体像を見るのには適していません。個人的には個人の作業を見るのには適しているかなぁと考えています。

また、上に書いたように「すぐ見れる」としても「見てくれる」とは別です。「視界に入るから見える」と「見れる」も別です。ありきたりなんですが目的によってツールの使い分けが必要です。ここを強引にメリットに見立てて失敗する人を結構見てきました。

「できる」と「便利」は違う

たとえば、「付箋を動かすようにドラッグアンドドロップできる」機能があっても、「付箋を移動させながらコミュニケーションを取ってもらいたい」人からしてみれば、便利とは限らないはずです。「できる」ことが「便利」なわけではありません。

ツールの各種機能は「売り文句」として目立ちますが、結局のところ、リアルでできることの代替でしかなければ、いくらドラッグアンドドロップで付箋を動かせても便利とは言えないでしょう。

ツールはどの部分を助けているのか?

自分なりに考えるツール導入のポイントは、

  • 全体を見る
  • どの部分をツールで便利にするか考える
  • 適用 > 実験 > 確認

ぐらいです。

いきなり全体にツールを合わせると失敗しやすいので、部分的に考えて全体に広げる作戦です。ただし、ツールには「ツールに合わせたほうがハッピーになれる」ものもあります。

「うちは特別だから」と考えてしまいがちですが、その特別をスタンダードなやりかたに揃えることで生まれるメリットもありえます。場合によっては、ツールが促す流れに自分たちのやり方を合わせていくのも手です。

まとめ

個人的にはカンバンはアナログをおすすめしています。場所の確保などが難しい場合もありますが、そういった制約を取り除く努力は結構価値がある気がするので、がんばってできるようにサポートしたりします。

また、自分たちのやり方は自分たちが一番知ってるはずなので、自分たちのやり方をツールにあわせたりはしたことがないです。どちらかというと「はじめは便利だったけど、もうこのツールは僕たちのやり方にあわなくなった」ことが多く、ツールを使う場合でも、使っては止め、使っては止めを繰り返すことが多いです。

どこでも同じようなやり方ができればいいのですが、そういった環境にいないので、無理に揃えることはないかなぁと思います。だから、私はアナログなカンバンボードを使っています。

タグ:
カテゴリー: 記事

コメントを残す

アーカイブ